今回はポイントがあるのでビックカメラに行きましたが、店頭在庫がないのでこいつも注文に
悩みどころはタンク付きにするか否かだったので、今回はタンクの話と行きましょう
※なお今回は購入にあたって調べた事をまとめているだけなので、実際の経験は一切含まれておりません
第三回 タンクが有ったり無かったり
模型向けのミドルクラス以上のコンプレッサーの中には補助用のエアタンクが付いた機種がありますが。いったいタンク無しの機種とどう違ってくるのかと言うと、主に
・脈動がない
・タンク自体がある程度水抜きの役割を果たす
・一定量タンク内にエアが貯まっていればコンプレッサー本体が停止する
等があるようです
一つ目の脈動というのはエアの圧が一定にならない現象の事で、塗料を吹いている最中に断続的にエアが途切れるため綺麗に塗装できなくなります。往復運動系コンプレッサーの構造上基本的に避けては通れない事です。原因としては、コンプレッサーはエアを
吸気→排気→吸気→排気→吸気→排気→吸気・・・・
と繰り返すため連続して排気する事が困難なためだと思われます
そして、この対策として補助タンクが必要になってきます。コンプレッサーで圧縮したエアを一度タンクに貯め、レギュレーターで圧を調節する事により、一定の圧で途切れることなく安定したエアが供給できるわけです。
脈動に関しては例外的にクレオスのL7,L5は独自の機構によりタンク無しでも脈動発生しません
しかし、脈動の排除や低振動と引き替えに圧が低いのが難点とされてますが、そもそも圧がそこまで必要ないのであれば連続稼働時間が模型用コンプレッサーとしては飛び抜けてますし、L5に関してはプロモデラーの使用率も高いので信頼性が高く圧力を気にしないのならば最適なな1台と言えると思います。
しかし今回はタンクの話がメイン
高圧かつ安定したエアが欲しいとなるとやはり補助タンク付きのもを視野に入れる必要が出てきます。一応レギュレーターや水抜きが超小型のタンク代わりになりなるので、圧力を上手く調節すれば脈動を軽減する事が出来るらしいですが、コンプレッサーの能力を最大限に発揮したいならタンクが有った方が幸せになれると思います。
続いて水抜き効果ですが、まず基本知識として大気中に含まれる水分に関して飽和水蒸気量と言う言葉があります。コレは、ある温度における空気の単位体積(1立方メートル)あたりに存在可能な水蒸気のグラム数で表されるもので、温度が高いほど多くの水蒸気が存在可能となります。重要なのは、飽和水蒸気量は気体の体積と温度に影響されると言う事です。この2つの要素に影響されると言う事は当然
PV=nRT
で表せる気体の状態方程式が深く関わってくるわけです(厳密には理想気体の状態方程式なので微妙に違いますが)
ここではそれぞれ気体の
P:圧力
V:体積
n:モル数(その空間内に存在する気体分子の数だと思って下さい)
R;気体定数(深く考えなくて大丈夫です、むしろ考えない方いいです)
T:絶対温度(普段使われている温度に+273℃したものです)
どういう事かというと、右辺nRTの数値が一定値で固定されている場合は体積を減少させると圧力が上がる。つまり体積が半分になると右辺の値が変化できないためが圧力が二倍にならざるを得ないのです。
コンプレッサーはこの現象を用いて高圧を生むのですが、その際気体の体積を一気に小さくします、湿度100%の室内でコンプレッサーを使うと仮定、その際気体を元の体積の半分にまで圧縮するコンプレッサーを使用した場合単純に考えて圧縮たれた気体は湿度200%になる分けです。しかし、当然ながら湿度200%はあり得ないのでオーバーした分が液体になってしまい、それが最終的にホースでハンドピースまで運ばれて水を吐き出す事になるのです。
上記の例では温度が変わらない事にして考えたのですが、実際は圧力と気体の温度が同時に上がるのさらに厄介です。飽和水蒸気量で説明したように、高温ほど多くの水蒸気が存在できるため、仮に上記の例で圧縮されたときに10gの水蒸気しか存在できないとした場合、実際には温度上昇により10g以上存在できます(※飽和水蒸気量は適当です)この段階で飽和水蒸気量のオーバー分は水に戻っているので、模型向けコンプレッサーに多い本体直付けタイプの水抜きを使えばこの分の水は除去できます、しかし高温のまま送り出されたエアはホースを進む途中で徐々に冷やされ、ホース内で湿度100%オーバーになってしまい水が発生してしまいます。
一方タンク付きのタイプは一度金属製タンク内にエアを貯めるので、タンク内でエアの冷却が行えるのでタンク無しよりも多くの水が除去できます。といっても完全ではないようなので状況に応じて水抜きを複数使用するなどの対応が望ましいのでしょう
しかし水抜きに関しては、言い換えればホース内で冷却した後水を抜けばいいので、本体と水抜きを直付けではなくある程度距離を離して接続すれば温度差による水の発生を抑えられると思います。ただネジの規格の問題があるので場合によってはホースの自作などの軽い工作が必要になる可能性があるので、素直に水抜きをもう一つ買ってきて水抜きを2つ使えばかなり効果的かつ楽だと思います。
水抜きは後からでも対処可能ですが、タンクに関してはかなり難しいです。市販の補助エアタンクと変換金具で自作ホースを使って増設する荒技も考えました、面倒なので諦めました。安くタンクが見繕えそうになかったのが最大の理由ですが。探せばタンク増設をやっている人間は割といるので、それを参考に挑戦するのもいいかと思います。
ほとんどがオクで落としたタンクを使っていましたが、新品の場合私が探した限りだと、日建の補助エアタンクかジェットイノウエ自動車のヤンキーホーン用エアタンク当たりが簡素でいいと思います。
さらに上を行く荒技として炭酸ペットボトル補助タンクがありましたが、コレは完全に自己責任で試して下さい(炭酸用ペットボトルの耐圧限界は6気圧らしいので317やAPC-001当たりだとペットボトルの状態によってはヤバイ感じがするので止めた方がいいと思います)
やたらと長くなったので1つ残してここで今回は終わりにしておきます
残った分は次にオートスイッチの話にねじ込んでおきます